ヴィオローネの流れをくんで、コントラバスはガンバの弓の様な下手持ちで演奏されていましたが
19世紀の後半、イタリアでボッテシーニによってフレンチボウが考案されました。
当時ヴァイオリンの弓は、外側に曲がっていましたが、トルテが現在の弓のように内側に曲がる形を考案し、材料もペルナンブコ(ブラジル産)を使い、強いしなやかな音が出る弓をつくりました。それによって、ヴァイオリンの弓の音量、機能性、表現力は飛躍的に向上しました。
コントラバスの弓もドラゴネッティの弓に見る通り、ガンバのような下手持ちで外側に曲がっていましたが、トルテの考案した弓を参考にして、現在のフレンチボウの形になりました。
しかし、現在のジャーマンボウは内側に曲がっていて、ドラゴネッティ以前の弓と持ち方だけは変わりませんが、弓の能力は飛躍的に向上していて、フレンチボウと比べてどちらが決定的に有利ということはありません。奏者の表現力による差の方が、弓の機能の差よりも大きいようです。 |